なんでもいいが、なんでもよくない

近況

なぜだか分からないけれど、何がどうなってこうなったのかよくわからないけれど、私はいまノルウェーにいて、とある一軒家の一室を間借りしている。ワーキングホリデーの滞在許可証を取得、直後にコロナパンデミックが発生し「えーッ」となったのが2年と少し前。たしか、新潟に滞在していたはずだ。

そこに色々な事件が重なって新潟を出ることになり長野県へ。いつか住むぞ~と思っていた松本市へ移り住み、国境が開いた(そして入国期限が切れそうだった)タイミングでアパートを引き払いいざ出国。と思ったら国境が閉じて野に放り出されてしまった。そこからホテル暮らしが始まるのであった。

コロナ・パンデミックと私

コロナ・パンデミックは文字通り世界を一変させた。大大大パニックだ。ロックダウンが実施された国では人々は外出を制限され、日本はマスクが高値で転売される現象まで起きた。観光客が客層のメインを占める業種の方々は壊滅的な打撃を受けた。

一方で私にとっては追い風になった側面もあった。仕事量がが増えたのだ。人々が外出を控えるようになった、かつ”密”な空間がだめになった影響で、オフラインのイベントや広告に使われるお金がオンライン広告にドドドドドッと流れた(らしい)。

政府がテレワークを推奨するようになり、ワーケーションという言葉も流布し、オフィスじゃない場所で仕事をするスタイルが一般的(といってもまだ限定的な気もする)となった。少なくともコロナ以前と以後とでは、認知度が大きく変わった。フルリモートで働いている私を見て「最先端ですね」という方に遭遇するようにもなった。

世間からの私を見る目が変わったような気がした。

友人との再開

数年に一度だけ謎のタイミングで会う友人がいる。その友人は画家で、世界のあちこちを旅しながら絵を描いて暮らしている。謎年ぶり謎回目の再会は福岡だった。私はホテル暮らしで転々としていて、彼は福岡で個展(ライブペインティング)をするというタイミングだった。もちろん見にいった。

彼の個展は何度か足を運んでいて、なぜだか今までとは違う感じがした。何かが始まっていく予感。あと、やはりプレイヤーはかっこいいなと思った。私もそうありたいと思わされた。とりあえず始めてみようと思って始めたギターと歌作りを本腰入れてやりなさいと言われたような気もした。

画家の彼は高校時代、アルバイトをして100万円を貯めて単身イギリスへ飛び立ったのが旅の始まり。以降は「好きなことしかやらない」という志で頑張っている。

いろいろな暮らし、いろいろなモノサシ

もともと一箇所に定住する暮らしはしていなくて、リゾートバイトをしたりゲストハウスに住み込んだりしながら転々と暮らしていた。超都心部の暮らしは分からないけれど、地方都市のいくつかとフィリピンでの暮らしを体験してきた。転々とするなかで出会った人たちの話を聞いて、いろいろな人生があるのだなというのもよく分かった。もしかしたら歴史を学べば余裕でわかることなのかもしれない。

漠然としたイメージとしては、各個人が属するコミュニティがいくつかあって、そのコミュニティに出入りしているモノサシ(価値判断基準)をインストールしたり自分なりにチューニングしたりして、応じたり拒絶したり折り合いをつけて生活をしている感じ。

モノサシはいろいろ。自分が目立つこと、自分が不利な立場にならないこと、全体としていい感じに収まること、内容は置いておいて素早くその場を収めること、ノリ重視(ノリの良さを封じられると死ぬ)、などなど。

そしてノルウェーへ

アパートを引き払い野に放たれ1年半ほどのノマドライフを経て、いざノルウェーへ。自己隔離などの規制は撤廃されていてコロナ・パンデミック前と同様の手続きで入国ができました。マスクしている人はほぼいません。たま〜に、ウーバーイーツ的なやつの配達員をしている方が着けているのをみるくらい。

価値観がひっくり返ったとかそういうレベルではないけれど、2ヶ月経過してみて(これまでの旅も含めて)、なんでもいいんだな、と思うようになった。

なんでもいいが、なんでもよくない。究極的にはどう過ごしてもいいが、社会は人間関係で回っているのでそれぞれの生活圏内で登場するモノサシに応じる必要はある。察知して、頑張って応じて、ときには折り合いがつけられずに衝突したり、落ち込んだり、怒り心頭になったり。

強くある必要はないし、ムキムキでもピチピチでもモテモテでも頭キレキレである必要もない。
ただし本気で過ごして(雑)、気の合う仲間と気分良く過ごすのがいい
(結婚して家庭を築いている人たちマジスゲーのでは…)。

とくにオチはありません。最後まで読んでくれてありがとう

ABOUTこの記事をかいた人

編集者。メディアづくり・チームづくり・コーチング(編集の)が得意。生きづらさを市場化すべく試行錯誤中。薬を飲むの苦手、手数の多い単純作業苦手、声の大きい人苦手、飲み会苦手。根性叩き直し中。目標はリオネル・滅私。