話し合いで解決できない問題は相手方に内容証明郵便を送ろう【原稿料編】

こんにちは。エーサです。
先日ライティングの仕事を受注した際、原稿料を踏み倒されそうになりました。

グーグル検索をすると、ぼく以外にもそういった被害に遭った方がけっこういらっしゃることを知って驚きました。

ぼくはいろいろ調べたり、助けを借りたりしてなんとか無事に回収できたので、その記録をまとめることにしました。

今回は『内容証明郵便』の書き方をまとめました。

 

内容証明郵便とは

簡単に言うと「お手紙の内容を郵便局が証明してくれるサービス」です。
(詳しくは日本郵便のページをご覧ください)

「え、そんなのなんの役に立つの?」と感じるかもしれません。

でも、考えてみてください。話し合いで解決できない問題を、第三者に説明するにはどうしたらいいでしょうか。

話し合いに応じてもらえなかった証拠が必要になりますね。

例えば「話し合いをしたい」といった内容のお手紙を送り、無視されたとしても郵便局はお手紙の内容を公的に証明してくれていますから「無視された」と堂々と主張できるのです。

ですから、内容証明郵便を送付するという行為は調停や訴訟を見据えた上でのもの、と相手方に感じてもらえる効力もあります。

内容証明郵便の書き方

ぼくが原稿料を回収したケースを元に、内容証明郵便の書き方をまとめてみました。

フォーマットを守ろう

内容証明郵便には、決められたフォーマット(使える文字、1行あたりの文字数等)があり、郵便局のページ「内容証明 ご利用の条件等」にて確認できます。

例えば以下のような感じです。

1.文書1通のみを内容としていること。
※このため、内容文書以外の物(図面や返信用封筒等)を同封することはできません。また、為替証書や小切手等の有価証券についても同様です。

2.次の文字または記号によって記載されていること。
(1) 仮名
(2) 漢字
(3) 数字
(4) 英字(固有名詞に限ります。)
(5) 括弧
(6) 句読点
(7) その他一般に記号として使用されるもの

3.一般書留とした郵便物であること。

こむずかしい印象を受けるかもしれませんが、1行あたりの文字数さえ守れば、普通にお手紙を書くのと大して変わりありません。

通常のお手紙と異なるのは、枚数が2枚以上になる際に「契印」が必要になることです。契印とは、お手紙がひとまとまりであることを示すための印鑑です。
割印みたいな感じです。これは押し方がよくわからなかったため、郵便局の方に教えていただき、その場で押しました。

情報を整理しよう

内容証明郵便に記載する情報を整理しましょう。以下に、ぼくのケースを参考にした例を示しておきました。

【原稿料を回収する場合】

契約締結日:平成〇〇年〇〇月〇〇日
契約内容:ひと記事あたり○万円(業務委託契約書第○条より)

業務の履行状況:平成〇〇年〇〇月〇〇日に○○本の記事を納品および検収済み

支払い状況:未払い(業務委託契約書第○条に記載の期間を過ぎている)

時系列順に並べよう

上はすでに時系列順になっていますが、いちど並べた情報を眺めて時系列順に並べ直しましょう。
ぼくの場合ですが、意味が明快で、誰が読んでも一様の解釈になるように意識して書きました。

実際の文面がこちらです(※日付や金額等は改変しています)。

平成29年05月01日、私は貴社との間で、1記事につき30,000円(税抜き)の原稿料を受け取る業務委託契約を締結しました。

私は平成29年05月01日から平成29年05月31日までの間に合計3本の記事を貴社に納品いたしました。

業務委託契約書第1条によると、報酬の支払い期限は納品月の翌月末日ですが、未だ貴社からの振り込みがされておりません。

よって、原稿料の合計額90,000円に消費税(8%)を加算し、源泉税(10.21%)を引いた××,×××円を、下記の指定口座に本書面受領後1週間以内にお支払いください。

主張は最後に

相談させていただいた弁護士の先生曰く「何を以ってして仕事がスタートしたのか」が超重要だそうです。
そのため、いつ・どこで・どんな条件で仕事がスタートし、どんな風に進行し、現在はこんな状況だ、という順番で書くのがよいと教えてもらいました。

状況説明を書き、最後に「よって〇〇円の支払いを〇〇までにお願いいたします。応じていただけない場合は法的な手続きをとらせていただきます」と記載。

細かい理由は特にいらない

状況説明以外の情報は必要ありません。

例えばクレジットカードの支払いが滞るとか、資金繰りが回らなくなるとか、そういった金銭面の事情です。

お金を支払ってほしい根拠(こんな発注を受けてこんな契約内容でこんな仕事をした)だけあればよいとのこと。

 

内容証明郵便を送ろう

情報を整理して文章の形にまとまったら、内容証明郵便を相手方に送りましょう。
可能であれば、弁護士や司法書士の方に文面を確認していただくことをお勧めします。

以下に実際にかかった費用をまとめました。

内容証明郵便の費用

封筒代…62円
一般書き留め…430円
配達証明…310円
速達…280円
内容証明料(2枚分)…690円
切手代…82円

合計…1,854円

内容証明郵便を作成・送付するには2,000円弱の費用がかかると覚えておけばいいですね。
あとはお手紙を書く手間と、精神的な負担とがコストですかね…笑

以上、経験に基づいた、内容証明郵便の書き方でした。
原稿料をキチッと回収できる方が増えることを祈ります。

ABOUTこの記事をかいた人

編集者。メディアづくり・チームづくり・コーチング(編集の)が得意。生きづらさを市場化すべく試行錯誤中。薬を飲むの苦手、手数の多い単純作業苦手、声の大きい人苦手、飲み会苦手。根性叩き直し中。目標はリオネル・滅私。