わかりやすい文章の書き方【駆け出しライター向け】

こんにちは。ライター歴4年の者です。

「ライティングの仕事をしているものの、実は文章に自信がない」という方に向けて、わかりやすい文章の書き方をまとめました。

これまでの読書や執筆の経験から「コレだ!」と思った決定的なコツ(や技術)を凝縮しています。

話題と結論を近づける

一つの文のなかには、話題と結論があります。それぞれの距離を近づけることが文章を読みやすくするコツです。実際の文章を例にして説明します。

▼例

私はその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間を憚かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである(引用元:こころ(集英社文庫).p6)。

恐れ多くも夏目漱石の「こころ」を参照しました(笑)
話題と結論の部分は、「ハ」で区切ることができます。この文章では

・私は~
・これは~

とあるので「私」「これ」のふたつが、話題として登場しています。それぞれの結論部分は、

・私は → 呼んでいた
・これは → 自然だからである

となります。

ひとつめの文は

「私はその人を常に先生と呼んでいた」

簡潔で読みやすいと思います。もうひとつの文、

「これは世間を憚かる遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである」

これをもう少し読みやすくするならば

「これは私にとって自然だからである。世間を憚る遠慮ではない」

とできそうです。【自然だからである】を前の方に持ってきました(※作品を批判する意図は全くございません。念の為)

まだ何がなんだかわからないと思います。この方法を実践するには、日本語のとある特徴を理解する必要があるためです。

「ハ」の役割を意識する

「ハ」の前にある言葉は、その文におけるテーマとなります。

ハは、これから〇〇についての話をしますよ、という話題を投げかける役割をします。

「ハ」という言葉の登場とともに話題が決定され、その後に続く言葉によって情報が充実していきます。

もうひとつ例文を見てみましょう。

▼例

山田くんはビデオにうずもれて暮らしている。彼は、ビデオテープの山の中に自分の記念碑を建てている。それを繰り返している間は試験には受からないだろう。(引用元:日本語練習帳.p49)

山田くん「は」、彼「は」、それを繰り返している間「は」とあり、文章のテーマは一貫して山田くんに関係すること。

3つめは、山田くん本人ではなく、山田くんの行為(ビデオにうずもれていること)に焦点が当てられています。

それぞれの結論にあたる言葉は、

・山田くん「は」 → 暮らしている
・彼「は」    → 建てている
・それを繰り返している「は」 → 受からないだろう 

日本語は文法上、補足情報は【動詞の前】に加えられます。だからアレコレ加えようとすると結論部分がドンドンと後ろの方にいってしまう。

結果、かえって読みにくくなる。補足情報を絞るか、一文を短くするといった対策が考えられます。

「ハ」の前後でいちど区切れるを意識してみてください。

さらに詳しい解説は『日本語練習帳(大野晋著、岩波書店)』にあります。

ぼくは「ハ」の特徴を理解することで、以前より自信を持って文章を書けるようになりました。

だから「ライターをしているが実はあまり自信がない」という悩みを抱える方(駆け出しの頃のぼくがそうでした)は、ぜひとも手にとってみてほしいです。

「日本語の専門家になりたいわけじゃない」と思うかもしれませんが、言葉(日本語)を扱う仕事をするならば、「ハ」の特徴は抑えておくほうが無難だと思います。

具体的な表現を用いる

これは説明が難しいのですが、要約すると「抽象的な表現のみで完結させない」ということです。簡単な例を挙げてみます。

・私は動物が好きです。
・私はパンダが好きです。
・私はシャンシャンが好きです。

という3つの文を、見比べてみてください(シャンシャンは上野動物園にいるパンダです)。

3つの文は、上から順に抽象的→具体的という風に並べています。つまり動物→パンダ→シャンシャンの順に、情報が具体的になっているということです。

上から順に読んでいったとき、アタマに浮かぶ情報が絞られていきませんでしたか。

「動物」という言葉をみたときは自分の好きな動物(あるいは嫌いな動物)が浮かんだと思います。「パンダ」はどんな姿が浮かびましたか。笹を食べている姿ですか。

「シャンシャン」とくれば、見たことのある人は上野動物園の景色がイメージできたはずです。見たことのない人は浮かばない。シャンシャンという名称とパンダとが結びついていないからです。

具体的な表現を用いるというのは、読み手のアタマに浮かぶ情報を”限定させる”ように書いていくこと。コツは、ひとつの言葉に対して抽象的–具体的の3点セットを浮かべること。

果物→りんご→サンふじ 
乗り物→車→プリウス 
建物→ビル→六本木ヒルズ

などです。

例えば「果物」と言われた際に「りんご」「サンふじ」のふたつがパッと浮かぶようになれば上出来です。「りんご」と聞いて両脇のものを瞬時に思い起こすことも一緒です。

常に3点セットで脳みそに保存する感覚ですね。この癖をつけることは、わかりやすい文章を書く近道かと思います。未だに模索中ですが。

こういった技法の祖はアリストテレスだとか、何かの本で読んだ記憶があります。興味のある方はアリストテレスを参照するとよいかもしれません(そこまで案内できたらいいんですが、力不足で申し訳ありません)。

まとめ

いかがでしたか。「とっくのとうに知ってるぜ!」という方がいらしたら、オススメの一冊をぼくに教えてください。

イチバンお伝えしたかったのは、日本語「ハ」の特徴、”話題を提示する”という役割です。このイメージを掴めるか否かで自信の度合いが変わると思っています。

ぼく自身まだまだ勉強中の身なので、一緒にレベル上げていきましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

編集者。メディアづくり・チームづくり・コーチング(編集の)が得意。生きづらさを市場化すべく試行錯誤中。薬を飲むの苦手、手数の多い単純作業苦手、声の大きい人苦手、飲み会苦手。根性叩き直し中。目標はリオネル・滅私。