「文章力がないのって、社会人としてやばいのでは…」
たしかにメールが読みにくいと、返事を後回しにされたり、最悪の場合は内容を読んでもらえなかったりします。
でも大丈夫です。文章力は鍛えられます。
2018年現在はWebメディアの編集者として仕事をもらっているぼくですが、もともとは木工職人を目指しており、文章は全くの素人でした。
色々あって3年ほど前にWebライターを目指すことになり、ブログを書き始め、「ライター 求人」と検索して見つけた求人に応募メールを送りまくり、運良く獲得した案件をこなしていくことで徐々に文章のイロハを学んでいきました。
「自分には文章力がない」と感じる社会人の方々はいったい何が苦手なのか。
3年間の経験から学んだことを紹介します。
単語の使い分けができない
「文章力がない」と感じている社会人の多くは、単語の違いに鈍感です。
たとえば、「自立」「独立」「孤立」の違いを説明してくださいと言われたら、できない方がほとんどではないでしょうか。
孤立だけは、なんだか他とは違うとわかるけど、どう違うのかを説明できない。自立と独立にいたっては、同じようにしか思えず、使い分けられる気がしない。
そんな方が大多数だと思います。
簡潔にいえば、
「自」は、「自分から進んで」
「独」は、「相手に制約されずに」
「孤」は、「ひとりぼっち」
といった意味合いがあります。
孤立はイメージが湧きやすいですね。ひとりぼっち、です。
自立は、自ら進んで、という意味ですから主体性をもつと言い換えてもよさそうです。
独立は「制約をされずに」という意味を含んでいますから、「自由」に近い感じがします。また制約をするのは他者ですから、他者の存在が強く表れていることも違いと言えそうです。
こういった微妙な違いを嗅ぎ分けることはけっこう難しいのですが(ぼくも未だに苦戦中)、諦めないことが大切です。
文章は単語と単語の組み合わせ。
自分の伝えたい内容にバシッと当てはまる言葉選びをしていきたいですね。
文章力をつけたい社会人の方には、会話でもメールでも報告書や企画書作成でも、単語の意味をもう少しだけ深く吟味することをオススメします。
▼ 語彙力向上のポイントは以下の記事にまとめています ▼
日本語の語彙力向上は「意味の違い目」を感じ取ることが最も重要。
伝えたいことを短く書けない
「私には文章力がない」思っている方は、「結論から言え」とか「ムダに長い」と上司から指摘された経験があると思います。
たとえばメールや報告書を書くときに、とにかく起こったことを全部書いたり、事実を書いている途中で自分の感想を混ぜてしまったりするとダラダラとした文章を書くことになってしまいます。
とくに仕事においてはみな忙しいですから、要点だけを短く書く訓練も必要です。
要点をおさえた文章を書くには、文章の書き方よりも「普段の読み方」の方が重要です。
なぜならば、
要点をかいつまんで読める = 情報の取捨選択ができる からです。
目的に合わせて情報の取捨選択ができれば、相手に要点だけを伝えることも可能になります。
ですから文章を書く際に要点を抑えられない人は、はじめに読み方を鍛える必要があります。
要点を拾い読みするコツ、よく使うものは以下の2つです。
・文章中の「は」と動詞に注目する
・目的とキーワードを決め、スキャンするように読む
▼ 要点を拾い読みするコツを書いた記事 ▼
文章を読むコツは「読む前」にあるって知ってた?【すぐできる】
文章の構造を組み立てられない
たぶん、これが最大の原因ではないでしょうか。
文章を書くテンプレートのようなものがなく、書くたびに順番がごちゃごちゃ。
時間もかかるし、読みにくいと注意されるし、もう嫌!
そして「私は文章力がない」という結論にいたるのでしょう。
実は、伝わりやすい文章を書くことには高度な技術が必要です。
ぼくの見立てでは、大きく分けて以下の4つのスキルが組み合わさっています。
・相手の知識・語彙レベルを測るスキル
・自分の知識・語彙を相手に合わせるスキル
・文章読解スキル
・文章構造を組み立てるスキル
どれも重要ですが、すぐに改善できるのは「文章構造を組み立てるスキル」です。
文章には伝わりやすい書き方があるので、そのテンプレートを使いましょう。
テンプレートを使って文章を書いている内に、構造の組み立て方が理解でき、文章力がついていきます(『読み書きの基礎を磨くマガジン』の「建設力編」に3種類ほど紹介しています)。
まとめ
「文章力がない」と悩んでいる社会人は、
・単語の意味の嗅ぎ分け
・要点の拾い読み
・文章構造の組み立て
この3つを鍛えることで文章力の基礎を身につけられます。
すぐに改善できるのは構造の組み立て方です。
勉強熱心な方は、単語の嗅ぎ分けを鍛えましょう。
お知らせ
読み・書きの基礎を鍛えるための講座を作りました。