長野県松本市に引っ越して2ヶ月の感想

こんにちは。

新潟県から長野県へ引っ越したアラサー独身男性の、心境の変化の忘備録です。引っ越して2ヶ月が経過した、”今”の感覚を書き留めてみたいなと筆を執りました。

長野県松本市へ

2020年の8月、新潟県新潟市から長野県松本市へ引っ越し。引っ越しをすることになった事情は複雑なので伏せるけど、引っ越しせざるを得なかった。7月の下旬に一念発起して、車で松本市へGO。物件探しをし、希望に近い物件を運良く見つけて契約。

いつくかの仲介業者に見学申し込みをして、2件目を見て作業用デスクの配置イメージが浮かんだので即決。決まった時点でその後の見学申し込みはキャンセル。ちょっと申し訳ないけれど、契約する気ゼロのやつが見学に行くほうがよほど迷惑だなと判断。

これは余談だけどキャンセルの電話をしたときに、その旨を伝えると「ご希望の物件が見つかってしまったということでしょうか…?」と言われました。正直なのは素晴らしいけど、希望物件が見つかるのは喜ばしいこと。言葉を選んだほうがいいのでは(笑)

余談でした。松本市を選んだ理由は、5、6年前くらいに住んだことがあり(といっても4ヶ月だけだけど)、またいつか住みたいなと思ったから。形はどうあれ「いつか」を迎えられることができてよかった。

新潟での暮らし

新潟では、実家ぐらし。在宅ワークをしながら、夕方くらいに近所のスーパーでお惣菜を買ってご飯を食べるという暮らし。仕事はWEBコンテンツ制作まわりで、コンテンツ企画、ライティング、編集、あとは拙いながらディレクションも。土日は行きつけのカフェで週刊少年ジャンプを読むのがルーティーンだった。

まあ楽チンな、仕事だけやっていればいいような生活。スーパーも徒歩圏内にあるし、駅もカフェも図書館も自転車でいけたし、新潟駅構内のジュンク堂や図書館の叢書数はけっこう充実していた。ネットも光回線だし壁にホワイトボードを貼って仕事しやすくしていたし、環境としてはけっこういいほうだったと思う。

が、実はすり減っていた。数ヶ月に1回くらい腹激痛に襲われていて、いちど胸や手がしびれて朦朧としたことがあった。薬の力を借りないと生活が難しそうだと心療内科から薬を処方してもらった。そしたらけっこう落ち着いた。スーパーの寒さでもお腹がギュルギュル言うてたので大分神経すり減ってたと思う。

自分にとって心地良いか否かは、仕事のしやすさや生活の便利さだけでは決まらないらしい。

松本での暮らし

松本では、一人暮らし。コワーキングスペースに通って仕事をしながら、ご飯は作り置きをしたりしなかったり。食材は1週間ぶんくらいをまとめ買い。水は井戸水を汲んでいる。

仕事は変わらずWEBコンテンツまわり。行きつけのカフェも既にある。5〜6年前に住んでいたときに通っていたカフェに通っている。なんとぼくのことを覚えてくれていて、松本市民になりましたと言うと「ようこそ松本へ!いや、おかえり!だね」なんて言ってくれて、すごく嬉しかった。

一人暮らしだと家事はすべて自分でやるのだけれど、まあそんなに負担でない。ゴミ捨ての日を忘れそうになるのと、あさ起きるのが大変なくらい。ゴミ捨て前日の夜はちょっと緊張しながら床についている。

仕事の環境はコワーキングスペースがかなり良いので助かっている。家の回線はなかなか脆弱で、増設しようとプロバイダに依頼をしたら「脆弱過ぎて無理っすね。増設すると上りの回線がたぶん落ちます」と言われてしまった。

書店や図書館の叢書数は新潟と比較すると物足りないけれど、気になる古書店があったり蔵をリノベーションしたお店があったりする。お城や博物館、測量機器の資料館もあったりと街なかに読み物が多い。

生活スタイルはそんなに変わってない。少し変わったのは、松本で事業をしている方々と関わるようになったこと。しばらくは孤独かなと思っていたけれど、コワーキングスペースで出会った方のお手伝い稼業が始まっている。

居住地と心境との関係

松本に引っ越してから約2ヶ月が経過して、けっこう心境が変わった。ひとことでいえば心地がよい。ではどんなときに心地よさを感じるのか、掘り下げてみようと思う。

ひとつは「いつか」が訪れたという実感。思い立ってわざわざ物件探して契約しているので(運転嫌いなのに300kmくらい運転しているし)、半分くらいは手繰り寄せているかもしれない。5〜6年前に過ごした時期は7〜10月で、ちょうどいまと重なる。町並みは記憶とそこまで相違なく、ただめちゃくちゃ暑かった。そこだけが違った。

山も、湧き水も、お城も、住み込んでいたゲストハウスも、カフェも、ジャム屋さんもある。少し形式は違えど、記憶していた感じとさほど変わらず営業している。また通える。自転車で街を駆けるたび、お城の公園を通るたび、水を汲むたび、マフィンを食べるたび、クッキーを食べるたび、宿の前を通るたび、帰ってきた実感が蓄積されていく。生まれ故郷ではないけれど、故郷のように感じる。

もうひとつは、クエスト感。自分で家賃を払う賃貸暮らしは何気に初めてで(これまで住み込みだったり宿付きの仕事だったり)、必要に応じてモノを揃えていく感じが楽しい。コインランドリー、コワーキングスペース、あとは美容室やかかりつけ医を探すのもクエスト感があった。

足りないモノやコトがあるとそこには余白があって「何が入ってくるのかな」とワクワクする。自ら何かを持ち込むこともできれば、余白のまま置いておくという選択の余地もある。想像力を働かせてくれる感じが心地いいのかもしれない。

あとは言語化するのが難しいんだけど、土地全体?風景?光?を浴びて肌で感じるものもあると思う。松本市は盆地で街がコンパクトにまとまっていて、少し移動するだけで景色が変わる。駅周辺は飲食店やホテル、バスセンターがあって、交通や宿泊の便がいいように開発されている。

少し北上すると「中町通り」「縄手通り」という商店街があって、ここは観光スポットになっている。

もう少し登ると「松本城」があって、雰囲気がガラッと変わる。松本城を境にして観光開発された区域と住宅街とが分かれている。

だからちょっと繰り出すだけで、現代っぽさと昔っぽさが身体に入ってくるのかな。コワーキングスペースに通う際は、松本城公園を通過して、付近の湧き水スポットで水筒に水を詰めてから向かう。

日々の生活を通してその土地に交わっている感覚が楽しいのだと思う。

ABOUTこの記事をかいた人

編集者。メディアづくり・チームづくり・コーチング(編集の)が得意。生きづらさを市場化すべく試行錯誤中。薬を飲むの苦手、手数の多い単純作業苦手、声の大きい人苦手、飲み会苦手。根性叩き直し中。目標はリオネル・滅私。