私の生活はこのままでいいのか、見つめ直したい。
ワークライフバランスを今よりもよいものにしたい。
多くの方が抱える悩みであり、筆者自身も現在進行系で模索中です。この記事では、移動の多い生活をしてきた筆者が、約10年近く試行錯誤してきた経験をもとに、放浪生活(ノマド)がどういう条件で成立しているのか、また住まいと仕事のバランス調整のポイントもお伝えします。
放浪生活はワークライフバランスの調整
筆者のケースにおける放浪生活は、住まいと仕事のバランスを調整し続けた結果として成立した生活様式です。万人におすすめできるものではありませんが、生活の在り方ひとつの参考として読んでもらえたら嬉しいです。移動を繰り返しながら行ってきたところがユニークな点かもしれません。
放浪生活の略歴
放浪生活の始まりは2014年から。
温泉旅館でリゾートバイトをしながら無料でライターの仕事を始め、リゾートバイト終了後はゲストハウススタッフをしながらライターの仕事を継続、その後インターンでフィリピン・セブ島に滞在したり、日本国内を30都道府県ほど転々としたり、ワーキングホリデーを利用してノルウェーに半年ほど滞在したり、といった生活をしてきました。
現在は主にライターの仕事をして生計を立てつつ、移動するなかで撮り溜めた写真を年に1回展示する、といった生活サイクルになっています。10年間ずっと転々としていたわけではなく、2017〜2020年の約3年間は定住をしていました。
放浪生活が成立する条件
本題です。筆者の放浪生活がどのようにして成立しているのかをご紹介します。
リモートワークの継続できる環境が最重要
いまの生活が成立している条件をひとつに絞るならば、
フルリモートで完結する仕事を継続的に依頼してもらえていること。
これに尽きます。もう少し細かくすると
・収入の下限は手取り20万円弱
・労働時間は4〜6時間/日
・働く時間・場所の制約はなし
といった具合になります。事前に定められた締切日までに原稿を書き上げることができればスケジュールは自由という働き方をしています。滞在期間については、1つの滞在先につき1週間〜2週間、長くて1ヶ月くらい。1日あたりの労働時間含め、このあたりのバランスは人によって変わってくるでしょう。
ちなみに労働時間を4~6時間に調整しているのは、そうしないと体力的に続かないためです。移動の多い生活は健康的な身体ありきで成立するので、負荷を抑え、かつ回復できる時間を設けることが大切です。
筆者のメイン業務
Webサイトに掲載する文章の構成を作ったり、文章を書いたりする業務がメインです。テーマと執筆本数の相談をいただき、スケジュールに応じて対応可否や締切日のすり合わせを行い、期日までに書き上げる、という日々を過ごしています。
ざっくりとした集計ですが、2023年は130本、2024年は140本ぶんの原稿の構成を作成しておりました。ライティングを含めるとだいたい170本くらいです。平均的な文量は3,000〜4,000文字前後。
上記を踏まえると、テーマ・本数・締切日の決まった原稿作成業務を一定程度の品質でスケジュール通りに作成する。これができれば基本的にフルリモートワークは可能になります。
あとは、状況に応じた報告・連絡・相談ですが、
・なるべく早く返信する
・時間がかかりそうなら返せそうな期日の目安を伝える
この2点には気を配るようにしています。
余談ですが、筆者は割と好奇心が強いほうなので、一般の方よりも調べものがそこまで苦になりません(たぶん)。旅を通じて得た経験が業務に活きることもあります。なので現在の仕事は、ある程度の適性もあって成立していると思います。
このような働き方が成立し得るかどうかは、職種や業務内容によるところが大きいのですが、以降では「どうすれば近づけるか」という観点で整理します。
放浪生活を成立させるための手順
筆者がどのようにして放浪生活を成立させてきたか、
またそれを一般的なケースに当てはめて考えるとどのような手段が有効かを考えていきます。
筆者のケース
筆者の場合、まずは仕事と住まいを同時に得られる環境に身を置いて生活基盤を確保し、空いた時間にフルリモートで稼ぐ方法を身につけていきました。表にまとめると次のようになります。
| フェーズ | 住まい | 仕事 | 生活基盤 |
|---|---|---|---|
| リゾバ | 変動 | 変動 | 住まい・仕事(3ヶ月 |
| ゲストハウス×ライター | 変動 | 変動 | 住まい(3〜4ヶ月 |
| セブ島 | 変動 | 変動 | 住まい(半年程度 |
| 帰国 | 固定 | 固定に向けた再構築 | 住まい(3年程度 |
| 国内ノマド | 変動 | 固定+α | ライター業務 |
| ノルウェー | 変動 | 固定+α | ライター業務 |
ポイントは、余剰時間の確保です。リゾートバイトは朝と夜に出勤していたのですが、その間の中抜けが6時間。ゲストハウススタッフも朝の清掃が終わったあと4時間程度の余剰時間があり、休みも融通を効かせてもらえる環境でした。
空いた時間にGoogleで「ライター 求人」と検索して応募をしたり、クラウドソーシングサービスを眺めて応募したりしながらリモートワークで稼ぐ方法を模索していきました。直営業もしていましたが、営業・連絡業務・制作業務を並行させ続けることは体力的に難しく、最終的にはエージェントに登録して案件紹介をしてもらう体制をとることで不安定さが解消されました。
制作業務と最低限の連絡対応に集中できる環境を整えることで、生活サイクルがバランスよく回るようになりました。
低リスクな運用がおすすめ
筆者の放浪生活は体質に合う生活バランスを模索した結果として行き着いたものであり、またそのプロセスも万人におすすめできるものではありません。リゾートバイトはあくまでもひとつの手段であり、リスクを小さくしながら生活基盤+余剰時間の確保を続けることが工夫の肝です。
住まい・仕事といった生活環境を変化させる選択肢をまとめると以下のようになります。
| 選択肢 | 住まい | 仕事 | 安定要素 |
|---|---|---|---|
| 引っ越し | 変動 | 固定 | 既存業務(雇用) |
| 転職 | 変動 | 変動 | 前職の実績・経歴 |
| 転職&引っ越し | 変動 | 変動 | 前職の実績・経歴 |
| 副業から始める | 固定 | 固定 | 住まい・仕事 |
| 独立開業 | 固定 | 固定に向けた再構築 | 住まい・前職or副業での実績 |
表内の「安定要素」とは、生活を安定させる根拠となり得るものです。会社勤めや公務員をされている場合は、住み慣れた住環境と雇用が安定要素となります。
引っ越しをすると住まいが一時的に不安定になり、転職活動をすると仕事が不安定になる、という風にみなします。また転職という選択肢を取る場合、前職における実績や経歴を転職成功の根拠(安定要素)と仮定します。
上記のような見方をすると、余剰時間の確保ができる方は副業スタート、余剰時間の確保自体が難しい方は残業の少ない職種・職場、または休日日数が多めの職場への転職が現実的な選択肢になるかと思います。生活環境を変えるのはけっこうストレスのかかる行為なので、両者を同時に変動させるのはあまりおすすめしません。
いま心身の余裕がほとんどない場合は、まず生活を立て直すことが優先になります。本記事は、ある程度の余剰時間が取れる方向けの内容です。
放浪生活中に出会ったノマドワーカーの職業
リモートワークしながら旅をするとなると、IT系のフリーランスを目指すことになる、というのが一般的なイメージかと思います。もちろんそのケースが多いかとは思いますが、旅をするなかで出会った方のなかには会社勤めをしながら各地を転々としている方もいました。
なので、雇用されながら旅をするという低リスクな放浪生活も工夫次第で可能なようです。参考までにこれまでの旅で出会った方の職業を紹介します。パッと思い出せる範囲で「職業×働き方の形態」でまとめました。
・人事担当 × 会社員
・Webディレクター × 会社員
・Webデザイナー × フリーランス
・マーケティング担当 × 会社員
・営業系解析ツールの導入支援 × 会社員
・プログラマ × フリーランス
・家庭教師× フリーランス(?)
きちんとした統計を取っているわけではありませんが、プログラマやデザイナーだけでなく、進行管理をするディレクター、企業のマーケティング担当者など、同期コミュニケーションが求められるであろう職業の方にも出会いました。国籍もさまざまで、アジアにいながらヨーロッパの企業と仕事をするなど時差に関係なく働いている人もいました。
筆者もノルウェーにいながら半年ほどライター業務をしていたことがありますが、時差の計算などの工夫をすることで、これといった支障なく働くことができました。
放浪生活を目指す際の注意点
低リスクな運用を進めるには、勢いでやってしまわないことが大切です。
リスクを減らしながら放浪生活を目指す場合に注意したい点は次の2つです。
まずは余剰時間の確保を
生活のバランス変える最初の一手は余剰時間の確保です。睡眠時間を削って時間を捻出するのは現実的ではありません。いまの生活基盤を破綻させないことを前提にしたうえでの余剰時間です。
・余剰時間を確保できるか
・その確保手段は今の生活基盤を破綻させないか
といった問いかけをしてみるとよいでしょう。
リモートワークは段階的に進める
リモートワークができる=放浪可能になる ではありません。働く→回復するというサイクルを回すことができなければリモートワークの継続が困難になり、信用を失いかねません。在宅勤務を一定期間試したうえで、国内でワーケーションする、海外に数日行ってみる、といった風に段階的に構築していくのが無難です。
まとめ
この記事の要点を3つにまとめると、以下のようになります。
・放浪生活は、ワークライフバランスのひとつの形式
・リモートワークを継続できる環境の構築が最重要
・第一ステップは余剰時間の確保
自分にとってのちょうどいい生活バランスは、試してみないことには分かりません。筆者自身、いまの状態を明確に目指していたわけではなく、結果的に現在の形式に落ち着きました。
当記事が、みなさんの生活バランスを見直すヒントになりましたら幸いです。









