先日、Twitterでとある動画をみました。 46歳と31歳と16歳の黒人男性が言葉を交わしているシーンです(約2分) 言葉というよりは、ほとんど怒号ですが。
今SNSにアメリカでの黒人差別に関する多くの動画/写真が流れてる中で、自分が最も力強いと感じた、それぞれ世代の違う3人の黒人が話す2分弱の動画に日本語の字幕を付けました
理不尽な社会に生きる彼らの発する言葉ひとつひとつの重みを、英語を日常で話さない日本人の方々にも是非知って欲しいです pic.twitter.com/aB9RdiTiPh— yösuke (@avril24th) June 1, 2020
46歳の男性は、神に祈っても何も好転しやしない、こうするしかなかったんだと主張。
31歳の男性はデモ(過激)に参加しながらも「この方法ではダメだ」と悟っている。
でも他の方法がわからない。
自分には見つけられそうもないし、たぶん10年後も同じことをしている、と言う。
そうして16歳の少年に「たのむ、他の方法を探してくれ」と託す。自分はいつ殺されるかわからない。他の方法を知らない、でも今のやり方ではダメなことはわかる、だから託す。
ことの顛末は存じ上げないのですが、よっぽど我慢し続けていなければああいった爆発の仕方はありえません。事態が好転する日を夢に見て、耐え忍んできたのだろうと思いました。悲しみの混じった怒り。
対岸の火事、ではないので、思うこと、思い起こされたことをつらつらと書いてみます。
## 2種類の差別
差別、と一言でいってもその事情はけっこう複雑。
人種差別、部落差別、あとはハンセン病のような病気になった人に対する差別もあります。
以前に調べ物をしたことがあって、それを踏まえると大きくは2つに分けられるかな、とも思っています。
ひとつは、恐れが蔑視的感情につながって、差別にいたるケース。
肌の色が違うから怖い、よそもの怖い、体のカタチが違う人間怖い、という感情が差別につながる。
もうひとつは、差別対象を用意するケース。
用意する理由は(ある人や組織が)自らの正当性を主張すること。
ある人や組織というのは、だいたい権力者。
いわゆるスケープゴートを用意するというやつですね。
## 日本の差別
国家(というか法律)による差別としては1996年まで施行されていた「優生保護法」があります。
- 優生学上不良な遺伝のある者の出生を防止
- 妊娠・出産による母体の保護
の2点が目的です。
1点目の根底には、
不健康な子を生みそうな人は出産を控えてもらおうといった考え方が流れています。
背景には「強い国家を作ろう」という願望があります。戦後の人工急増対策の一環でもあったようです。
出産してOKな人とNGな人をふるいにかける法律が24年前まであったんですね。
これを知ったときは本当にびっくりしました。
現在は「母体保護法」という名称になり、
優生思想が反映されている部分は削除されているそうです。
こんな風に大規模な差別もあるんですね。
出典|[日本大百科全書(JapanKnowledge)](http://https://japanknowledge.com/psnl/display/?lid=1001000232085 "日本大百科全書(JapanKnowledge)")
## 知らないあいだに差別している
思い返せばあれは差別だった、と悔やむことも。
ぼくの場合はセクシャルマイノリティに関して。
きっと彼はそうだったのだろうと思う人がチラホラ浮かびます。
学生時代、打ち明けにくい空気感を醸成してたなーと思いました。
## 結局どうすればええんや
これは正直わかりません。
まずできるのは知らんぷりしないこと。
痛みを抱えている人がいる、耐え忍んでいる人がいると知ること。
もちろん人それぞれ何かしらの事情を抱えているはずですが。まずは知らんぷりしないこと。
今回の殺人事件や暴動に関して言えば、
ラップやヒップホップなどに親しんでいる人は特にスルーしたらアカンです。
ぼくもそのひとり。だからこうして書いてみました。救いになるかどうかはわかりません。
というか日本のポップミュージックシーンは思い切りヒップホップを参照していますよね。
無関係な人の方が少ないのでは、、、
いちばんの問題は、このように書いたところで関心のない人には届かないところなんですよね。
関心のない人が知らない間に参加している仕組みが作られれば何か変化が起こせるかもしれません。
なんだか最後投げやりになってしまいましたが、
差別・抑圧について考えるキッカケとなればと存じます。合掌。