仕事における人間関係づくりは、忍耐が必要な場面がある。
また、その場から離れるべき場面もある。
この見極めが非常~に難しい。
割と大きな失敗をしてしまったので、似たような場面に陥った際に読み返すためにも、似たような境遇にいる方のためにも、書き残しておこうと思う。
課題への共感 ≠ アプローチ方法も同じ
この失敗の大きなポイントは、課題に共感してさえいれば大丈夫と思い込んでいたことだ。
社会課題を解決する、とある事業のお手伝いをしていた。その課題や事業内容にとっても共感し、なんとしてでも軌道に乗せていきたいと思っていた。
人材・資金・時間・競合、様々な要素を考慮して、いま考えうる最善の施策を思いつく限り挙げて、この施策から試していくのはどうだろうか、いやこっちが先だろうかと考えて、ひとまずこの順番が妥当だろうというものを提案した。
大部分は納得してもらえたものの、納得してもらえていない部分もあった。それは、サービスの質を向上させること。
先方の希望は集客を増やすこと。ぼくの見立ては、この品質で集客を急いでもガッカリされるだけ(少なくともぼくはガッカリする)。
どんなに言葉や表現方法(数値で示す等)を駆使しても伝わらなさそうな感じがあった。
最も辛いのは、伝えるべきタイミングを待つこと
相手に何らかの不足(目的を達成するために埋めなければならないもの)があり、それを伝える場合、まずは指摘を受け入れられるカマエを十分に醸成する必要がある。
具体的な行動は、相手の要望や意見を受けとめて、それに応えていくこと。応答していくなかで伝えるタイミングを伺い、十分に引き受けきったと思ったときに始めて効果的に伝えられる(表現方法もちょっとした工夫が必要)。
今回は、全くもって耐えきることができなかった。課題に共感していたのも相まったのか、わずか1週間程度で気持ちがプツンと切れてしまった。
控えめに見ても、品質が最低限のレベルに達していていない(もしかしたら杞憂なのかもしれないが)。
それに気づいている様子もない。誰かこれまでに指摘した人はいなかったのか、それとも指摘されても無視をしたのか、などと考えていくうちに、応答する気持ちが薄れていってしまった。
覚悟が決まっていれば大抵のことは耐えきれると思うから、そもそもの覚悟が足りてなかったのだろう。
モノサシを自由に出入りさせられる思考
このままでは、この事業にクリエイティブ人材は寄り付かない。
足で稼げるだけ稼ぐ戦闘民族的な組織になってしまう。それで成立するならよいが、その在り方は事業のミッションと真逆をいく。これではいけない。
などとセンチメンタルになり、それまでに思ったことを全部ぶちまけてその場から逃げ去ってしまった。めちゃくちゃダサいが、これまで何回か身体を壊してきたので、自分なりの防御策でもある。
これを回避するには、もっとモノサシを自由に持ち替える技術が必要なのだと思う(あとはシンプルに身体を鍛えるのも必要だと思う)。
ガムシャラな行動やハートの熱さを重視するのなら、いったん借りて羽織ってみればいい。もしも似合わなければ「お前には似合わないんだな、ナルホドね」と諦めがつく。
「絶対にこうだ」という確信めいたものを感じても、相手のモノサシを試着するくらい軽やかに振る舞えたのなら、もうちょっとマシになれるのかもしれない。
まとめ
すぐに投げ出すのは良くないが、身体が資本なことも事実。
まずは身体を出発点にして、いきなりぶっ込まず、健康的な身体や精神が保てる距離感を学んでいくのがいいんでないか。