リモートワークでは顔が見えないから信頼関係が築きにくい。
しかしよく考えてみると現代は、電話・メール・チャットなどを用い、顔を合わせずにコミュニケーションをとる仕事の方が多い。
「リモートワーク」という言葉の響きが新たなコミュニケーション形態を想像させるだけなのかもしれません。
リモートワークがメイン(4年くらい)の身としても振り返ったほうがいいと思い、信頼関係構築に大切だと考える3つのポイントをまとめました。
発言の背景を想像する
仕事におけるコミュニケーションでは、何かしらの目的をもって発言をします。その目的や相手を取り巻く環境とを想像しながら言葉に耳を傾ける。
実際には文字を呼んでいるのですが、耳を傾けるようなイメージが分かりやすいと思います。リモートワークを題材にしていますが、恐らく対面でも行っているはずです。
いま自分が話している相手はどこのだれで、何の仕事をしている人で、性格は、私との関係性は、という風に様々な切り口からその人を見る。その上で言葉を受け取ったり、渡したりする。
もしもリモートワークが難しく感じるとしたら、不慣れなだけか、リモートを特別視しすぎているため。
発言の背景を想像するのは、対面よりもリモートの方が取り組みやすいはず。非同期的なコミュニケーションで、対面ほどスピードを求められないためです。
ただし汲み取る精度はこれまでより求められるかもしれません。もともと汲み取る力が高いのであれば、却って仕事効率が向上すると思います。
「助かったこと(具体的な行動)」を伝える
とても重要なポイントです。「私はあなたの行動を見守っています」と伝える行為です。具体的には行動に対してコメントを返します。
例えば「連絡をこまめにいただけて安心して業務に取り組めました」「質問のたび直ぐに応答してくださって助かりました」など。
自分が相手を評価するのでなく、相手が自分を評価していると考えます(実際には相互評価が起こっているはずですが)。
評価というのは「この人は信頼するに値するかどうか」を慎重に判断すること。すでに経験済みだと思いますが、仕事においては「しっかり見てくれている」と分かることで安心感を覚えます。
だから「完璧です!」「素晴らしいです!」というコメントはあまり効果的ではありません。このような褒め言葉は「この人から褒められたら嬉しいな」と思ってもらえる関係があって初めて効果を発揮します。
このような関係を築いていくためにも、具体的に伝えることが超重要です。
経験的には内容よりも「頻度」が大切なのですが、あまりにもお粗末な内容では言葉を重ねるごとに不信感を与えてしまいます(話すほどに信頼を失っていく)。
相手を評価する内容を書くなら、最低でもひとつは具体的な行動を取り上げるのがよいと思います。
アドバイスは「質問」に変換する
お客さんとの関係性を悪くした失敗談をひとつ紹介します(ライティングのお仕事)。
とあるサービスを紹介するライティングを依頼されたのですが、顧客像を聞くと商品のウリ自体が魅力的ではありませんでした(ターゲット設定のミス)。
「ターゲットを変えるのはいかがでしょうか」と提案すると会議で決まったことなのでそれは出来ないと言われます。「このままライティングしても、おそらく集客効果は見込めません」と伝えると「じゃあどうすればいいの?」と言われます。
「サービス内容にバリエーションを増やし、価格設定を見直す方法が考えられます」と伝えると【ゼロベースでの提案は不要です】と怒り(&呆れ気味)のお返事。相手の気分を害してしまいました。
最終的にはターゲット変更が成されたのですが、ぼくの提案が通ったわけではありません。集客が上手くいかずに先方で再検討した結果です。
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アドバイスは、相手との関係性やタイミング次第で良くも悪くもなります。
よくやりがちなのが「求められていないアドバイス」。聞かれてもいないのに「〇〇したほうがいいですよ」「××は止めておいたほうがいいですよ」という助言をしてしまう。
常に正しいことを言えば良いのではなく、適切なタイミングで、必要な言葉を、よい関係性の中で渡すことが大事です。関係構築が不十分だと、大抵の場合はありがた迷惑となってしまいます。
自分が思っている以上にその内容は伝わりませんし、伝わらないことで「アタマの硬い人だな」という誤った評価をすることにもつながります。柔軟でないのは、相手に応じて対応を変化させられない自分自身。
求められていない限り、他者へのアドバイスはしない方がいいというのが持論です。なにか伝えたいことがあるときは、それに気づくキッカケとなる「質問」を渡す方が賢明です。
まとめ
リモートワークで意識している下記の3点をお伝えしました。
- 発言の背景を想像する
- 「助かったこと(具体的な行動)」を伝える
- アドバイスは「質問」に変換する
あらためて見ると関係づくりのそもそも論のような内容で、リモートワークに限定した話ではありませんでした(笑)
今回の内容は人間関係で失敗してきた経験を踏まえたものですので(ぼくはどちらかというと下手くそです)、苦手意識のある方は実践してみてほしいです。