コンプレックスの意味を3つの観点から考えてみた

こんにちは。
当記事ではコンプレックスの意味を、元々の意味、心理学的な意味、劣等コンプレックスの3つの観点から記述しています。

「コンプレックスとはこういう意味である」という説明ではなく、「このような意味合いを含んだ用語である」という風に読んでいただけると嬉しいです。

というのも、モノゴトの捉え方を柔軟にすることが心を楽にすると思うためです。

それでは、どうぞ。

コンプレックスの元々の意味

英語の【complex】の意味を見ていくと、形容詞としては多くの部分から成るとか、複雑といった風に、名詞としては、複合体固定観念、といった言葉で説明されています。

語源はラテン語の【complexus】で、抱く、取り囲む、把握、といった意味があるようです。こうして見ていくと、何かしらが絡み合っている状態、包んだり囲んだりすることを表現していることが推測できます。
 

心理学的観点から

コンプレックスという語を、心の解明で最も強調したのは、カール・グスタフ・ユング(通称ユング)という精神医学者です。コンプレックスという語を「感情の込められた複合体」という意味で用いていたそうです。

彼は言語連想実験において、反応時間が遅れたり連想がストップしたり、言いよどみが見られたりした場合に、心の内にコンプレックスが存在すると見ていました。

ーーー言語連想実験の手続きーーー

 └実験者がある言葉(刺激語)を提示する
 └被験者はその言葉から連想するもの(反応語)を挙げる(例→「日本」と聞いて「お寺」や「四季」と答える)
 └実験者は反応時間や連想の内容、反応の仕方を観察

※「刺激の提示と反応」の関係を説明する目的で簡易的に書いたものであり、実際の手続きを網羅しているわけではありません。

あなたは「コンプレックス」という言葉から何が浮かぶでしょうか。もしかしかたら、何か言いたくないことが浮かんでいるかもしれません。心に緊張が走ってるかもしれません。

ユングは、そのような反応をおこす要因として、コンプレックス=感情の込められた複合体の存在を想定したようです。

現在の意味は、劣等コンプレックスに近い?

劣等コンプレックスとは端的にいえば「私は〇〇だから××ができない」という文の、〇〇に入るものです。

大抵の場合、身体的特徴(身長や体型、顔の造形など)や、能力の特徴(物覚えが悪い、片付けができない、感情の整理が苦手など)が当てはまります。

「アドラー心理学」で有名なアルフレッド・アドラーが重視していたのは、この種のコンプレックスです。コンプレックスと聞いて多くの人が想像するのは、おそらく劣等コンプレックスだと思います。

アドラー心理学では、劣等コンプレックスを健全な「劣等感」にすることが心の健康につながるとしています。

▼劣等感について書いた記事はコチラ▼
劣等感は克服するものではない? 詳しい意味について解説します。

まとめ:必ずしもマイナスな意味合いがあるわけではない

コンプレックスという言葉のもつ意味、アタマの中に広がったでしょうか。一般的にはマイナスなものとして捉えられているコンプレックスですが、もともとは「複雑なさま」や「包むこと」を表す言葉でした。

それが「感情の込められた複合体」に転じて、劣等感と結びつき、現在の用いられ方に至っています。ですからマイナスな意味が含まれているわけではないんです。

だからその複雑な感じはそのままでもいいかもしれないんですね。複雑な感じは変化させず、捉え方だけを変える。そうすることで結果的に心が軽くなることもあるかと思います。

ひとつの方法として、複数の観点から見つめることを紹介させてもらいました。

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編集者。メディアづくり・チームづくり・コーチング(編集の)が得意。生きづらさを市場化すべく試行錯誤中。薬を飲むの苦手、手数の多い単純作業苦手、声の大きい人苦手、飲み会苦手。根性叩き直し中。目標はリオネル・滅私。