毎日のようにたくさんの情報が発信され、情報爆発が止まらない今日。
発信することが重視され、読み方そのものについて考える機会が減少しているのではないか(もしくは元々ない)と思うこのごろです。
文章を書いたり、日本語について勉強したりするなかで見えてきたコツを共有したいと思います。
文章を読むコツは会話と同じ
文章を読もうとして「一字一句を見逃さずに読まなければ」と気張る人がいます(過去のぼくです)。
読書をする際に「この本を読み終えるまで他の本は読んではいけない」というルールを自らに課していました。
でも、そんなことをする必要はありません。文章を読む=文字との対話として捉えると理解できると思います。
家族や友人と会話をするとき、全てを逃さず聞いている人なんていませんよね。大体7〜8割(ときには半分くらい)くらいのゆるい感覚で聞いてコミュニケーションをとっていませんか。
文章を読むのもそれと同じ感覚で大丈夫です。
「対話するように読めばいい」という姿勢で問題ありません。文章は読み返しもできますから、むしろ初めは対話よりもざっくりでいいんです。
文章を読む前が大切
要点を抑えながら文章を読むには、読む前の準備が大切です。
大抵の場合、文章を読む前には何らかの目的を設定しています。例えば、クライアントに提出する資料を作成する、上司の仕事ぶりを盗む、指示内容を理解する、などです。
小説のような作品を楽しむ意外では、ただボーッと読むことの方が少ないのではないでしょうか。
読む前の準備とは、自分が無意識に設定している目的に、より自覚的になることです。といっても、そんな大掛かりなものではありません。
読書でいえば、3〜5分ていど目次を眺めて本の中身を想像するとか、そのレベルです(でも多くの人は目次を読まずにいきなり読み始めていると思います)。
ひとことで言えばカマエづくりです。
ぼくはよく使う方法は、次の2ステップです。
- キーワードを決める
- 「は」に注目する
ひとつずつ詳しく解説していきます。
キーワードを決める
これについての情報を集めるぞ、というキーワードを決めます。この記事を読んでいる場合だと、たとえば「文章」とか「読む」とか「精査」とか「読み方」でしょうか。
キーワードを決めると不思議なことに、それに関係しそうな言葉を自然に拾い上げるようになります。
たとえば街を歩いてるとさまざまな広告が目に入り、興味のあるものに目が止まった経験は誰しもあると思います。
広告に起用されている俳優・女優を見て「おっ」と思ったり、散歩していて「おっこんなところに新しいカレー屋さんができている」とか。
文章を読むときも一緒です。その「おっ、」という感覚を磨いていくことで、要点を抑える力が磨かれていきます。
意外に思うかもしれませんが、たったコレだけです。
「は」に注目する
私は、ぼくは、の「は」です。
文は「は」で区切れます。 区切れるというのは、これからこのテーマについてのお話をしますよ〜という前置きがされるようなイメージです。
日常会話でいえば「ねえ、聞いて聞いて」といっている感じ。
「は」は、その文におけるテーマ設定をする役割があります。 そして、聞いて聞いて、といった話題に対する結論部分(いわゆるオチ)は大抵が文末にあるのです。
だから文章の要点を掻い摘みたい場合は「は」に注目して文の話題を把握し、文末を読んでいきましょう。
コツは、文は主語・述語で成り立っているという見方をいったん捨てることです。
たとえば「私は会社員です」という文と、「私が会社員です」という文。主語・述語は全く同じものを用いていますが、文としては別物です(後者はなんだか変な感じさえしますよね)。
「は」と「文末」とブツブツ呟いてから読み始めるといいでしょう。
まとめ
ポイントは次の3つです。
- 読む=文字との対話
- キーワードを決める
- 「は」に注目する
ここまで読んでくださった方は「気張らなくてもいい」という点は既に心得ていると思います。
今度は、本や資料や記事を読み始める前に、キーワードを紙に書き出すことに取り組んでみてください。おそらく読み味が変わる(アタマに入りやすい)と思います。
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