自分の文章が「読みにくい」と感じたときに思い出したいこと

こんにちは。

当記事は「自分の書いた文章をあとで見直すと、何を伝えたいのかまるでわからない」という悩みのある方に向けて書きました。

文章が読みにくくなる要因を理解し、改善する方針を自分自身で立てられることを狙いとしています。

それでは、どうぞ。

内容と言葉とのマッチング

書いた文章が読みにくくなるイチバンの原因は、伝えたい内容と、用いている言葉とがマッチしていないことです。

この現象は、言葉の意味をよく調べずに、雰囲気だけで使っている場合によく現れます。

いちど文章を離れて、会話での言葉遣いを取り上げてみます(たぶんその方が理解しやすいので)。口癖のお話です。

「要は」と言いつつ、その後は特に要約せずにダラダラと話し続けることはありませんか。もしくはそういった方に出会ったことはありませんか。

「要は」という言葉は「この話の要点は」という意味で、比較的短い表現を用います。にも関わらずダラダラと話してしまうのは「要は」の意味を理解していないからです。

仮にこれを“誤った口癖”と呼ぶことにします。

ぼくは、文章が読みにくくなる根本的な原因は、誤った口癖をたくさん抱えていることにあると考えています。

誤った口癖が多くある原因は、概念の意味をよく考えないこと、調べ物をしないこと。思索や調査に取り組まないのは、言葉に対するカマエが甘いからです。

それが文章にも反映され、表現したいことと言葉とのミスマッチがたくさん重なり、読みにくい文章ができあがる。

おそらく文章術を学んでも、誤った口癖を修正しない限り、読みにくさの改善は難しいでしょう。

意味の範囲を知る

治療に有効なのは「言葉の由来を知ること」です。現代的な意味は肌感覚でわかりますが、その由来は知らないことが多い。

言葉には意味の範囲がありますから、由来と用例を対比させることで、それを感覚的に把握することが狙いです。

意味の範囲とは、その言葉が”何を示し、何を示さないか”、その領域のことです。言葉の中心的な意味、周辺的な意味とで決まってきます。

例として「キウイ」を取り挙げます。

キウイと聞くと、多くの日本人はキウイフルーツを浮かべると思います。

しかし「キウイ」という単語は、ニュージーランドに生息する鳥を指したり、ニュージーランドという国を指したりもします。

ニュージーランド出身者のことをキウイと呼ぶこともあるそうです。ジャパニーズ、アメリカン、オーストラリアン、キウイ、みたいなノリですね。

「キウイ」という言葉が指し示す範囲は、果物、動物、出身地。語源はニュージーランドのマオリ族が用いていた『マオリ語』にあるそうです(マオリ族は、イギリス人が侵入する前から住んでいた民族)。

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キウイを題材に意味の範囲を紹介してみました。果物だけでなく、鳥や土地を指し示すんですね。

これくらい把握できれば、果物を示すのか、動物を示すのか、ニュージーランドという国を示すのか、ハッキリと意識した上で使えます。

歴史に詳しい方であれば「キウイ」という名付けが行われたタイミングまで語られるでしょう。

キウイフルーツの原産は中国らしいので、キウイフルーツを見たニュージーランド人が「あれこれキウイ(鳥)に似てるやん」という具合に名付けて、日本へと渡ってきたのかも?

ちなみにキウイを選んだのは、果物ならとっつきやすいかなと思ったからです。「言葉」にしようかとも思ったんですが、神や祈り、罰などの難しい内容が出てくるのでやめました。

興味のある方は『常用字解(白川静 平凡社)』という本がおすすめです。漢字ひとつひとつに対する由来がかなり細かく解説されています。

”書く前”を見直す

文章が読みにくくなる原因は、実は”書く前”にもあります。

例として、この記事を書き上げるプロセスを紹介します。大まかには、

  1. 問いを立てる
  2. 答えを書き連ねる
  3. 答えの並べ方を考える

という順番です。

まず、読み手が欲している情報を質問形式で浮かべます。

「文章が読みにくくなるのはなぜなのか?」という問いを中心に、

・イチバンの要因は?
・それを改善する方法は?

             
といった質問を浮かべました。次いで回答を紙などに書き連ねていき、
 

・内容と言葉とのマッチング
・意味の範囲を知る
・”書く前”を見直す

という見出しを作っていきました。文章を書く上で、重要度が高い順に並べています。

まずは単語一つひとつとの向き合い方を正すこと。文章術のお作法はその後でもよいという持論に基づいて順番を決めました。

こんな風に作業工程が見えてくると「問いの立て方に問題があるかも」「答えの並べ方をもう少し工夫できるかもしれない」といった改善の手立てを考えられます。

まとめ

最も重要なポイントは「文章術を学ぶより、普段の言葉遣いを見直す方が効果的」ということです。

矯正する方法として

・言葉の由来を調べる
・書く前の作業工程を見直す

の2点を紹介しました。何か、新たな発見があることを願います。

ABOUTこの記事をかいた人

編集者。メディアづくり・チームづくり・コーチング(編集の)が得意。生きづらさを市場化すべく試行錯誤中。薬を飲むの苦手、手数の多い単純作業苦手、声の大きい人苦手、飲み会苦手。根性叩き直し中。目標はリオネル・滅私。